曲がり角からこじはる

シンセサイザー、こじはるの話

浜田麻里のキーボードの

浜田麻里のキーボードの話。
だいぶマニアックな話なので、日本で50人ぐらいしか興味ないかもしれません。

彼女のキーボードサウンドといえば、増田さんだからというのもありますが、基本はKORGです。
 
全体的にドライで硬い音なのがKORGの特徴で、分厚い音の中で埋もれる事もなければ、空間系も細かいところまで綺麗に聴こえます。
 
三大メーカーの特徴としては、YAMAHAは全体的にハイクオリティですが、いまいち無個性というか、パンチが足りない気がします。
Rolandは丸い音で、何もしなくてもバンドには綺麗に混ざるけど、そこからKORGのような立つ音を作ろうとすると、どうしても痛くなってしまいます。
 
アコースティックピアノは、KORG KRONOSのプリセットIB009、"OASYS Piano"がメインです。先代のワークステーションOASYSから引き継がれたこの音色、KRONOSユーザーで使ってない人はいないんじゃないかってぐらい使える音で、アンサンブルの中で鳴らすピアノとしては最も優れた音だと思います。

KRONOSはSteinwayYAMAHAのグランドピアノをノンループでサンプリングした、もっとリアルな音色が売りにもなっていますが、分厚いバンドで鳴らすとどうして倍音が邪魔になるので、全体のサウンドに合わせてOASYS Pianoの低音域をEQで調整していくのがベターですね。
 
ストリングスはプリセットIC035"Stereo Analog Strings"が使用頻度高めです。
AesteticaツアーのStay Goldのイントロでフェードインしてくるストリングスはこれですね。アタックとリリースをいじるとRunaway From Yesterdayの音になったりもします。
バラードのピアノに重ねるのもこの音です。

サビではストリングスにベルをレイヤーしてアタック感を出している事が多いのですが、KRONOSのベルはそのままだと音が立ちすぎて若干使い辛いです。個人的には3世代くらい前の機種の、若干ザラついた音の方が好きでした。
ちなみに増田さんは上段のTriton proの鍵盤で上モノを鳴らしていますが、音源自体は下段のKRONOSです。

ベル系の音色に関しては、RolandのINTEGRA-7という音源モジュールがバリエーション豊富で素晴らしいです。AKBの楽曲でサビのボーカルとユニゾンするベルはINTEGRA率高めです。

古めの曲で使われることの多いキレキレのシンセブラスは、プリセットのリバーブを切るところから始まります。
昔のKORGのシンセってアホみたいにリバーブが深くて、その名残か分かりませんが、今でもシンセブラスのリバーブが深めです。

キーボードソロではKORG Radiasが使われていました。
この機種は2ndキーボードの中野さんが使ってるKORG M3にマウント出来る音源モジュールでもあります。
Somebody's CallingやCrisis Codeのソロが分かりやすいですが、アナログシンセのようなリードサウンドが手軽に出せてメンテナンス不要なので、使い勝手の良いシンセです。
 
HAMMOND B3は、半分ぐらいは見た目のインパクトでしょう。
いつぞやのB'zライブではロータリースピーカーの代わりに、ヒュース&ケトナーのTUBE ROTOSPHEREというロータリースピーカーシミュレーターが使われていました。
これが実機と区別が付かない最高のシミュレーターなので、オルガン弾きなら是非とも1台買っておきましょう。足元にあるだけで安心感が全く違います。
 
キーボードは全体的にベーシックな音色が多いので、今時のシンセであれば演奏はともかく、音の再現自体はそこまで難しくないと思います。

ちなみにコピーバンドを最小の構成で再現しようとすると、アナログシンセもハモンドオルガンも、そのままの音源エンジンがKRONOSに搭載されているので、頑張れば1台で再現出来ます。

エントリーモデルでも似た音は出せますが、上記の辺りが専用のエンジンではなくてサンプリング音源なので、音の変化の幅が少なくて単調になりがちです。演奏次第でカッコ良くなりますけどね(^^;;